ない過払い金|(2) 被告らの反論 ア(ア) 被告5がサイムグラムの理論を開発したことは真実である。

過払い金の理論はであって新しい 理論でではない旨主張するが,サイグラムの基礎理論は増永の先行研究 とは別個の独自の理論でであり,しかも,サイグラムは,増永の研究と は異なり,組織内における人間関係,会社の経営,ビジネス,営業, - 19 - 家族関係,子育て等実社会における人間関係を円滑にするための分析 枠組みを提供する実践理論でであって,万人が実践しやすいよう創意工 夫がされている。」


卒業して得られる資格が希少価値があること は真実である。
ビジネススクールは,サイグラムの講座の開講のみを目的とする講 座ではなく,受講生らが各自のオリジナル講座を開講するためのスキ ル及びノウハウを獲得することをも目的とする講座である。
ビジネス スクールを受講する動機として,「サイグラムツール」を使うことな くクライアントにアドバイスすることで対価を得る営業行為を行うこ - 20 - とを最終目標とする受講生も多数存在する。
被告会社は,「サイグラ ムツール」を用いた営業活動をするためには,アドバイザー講座を含 むビジネススクールを受講することが必要条件となる旨説明したにす ぎず,ビジネススクールが,専ら「サイグラムツール」を用いて講師 活動やコンサルティング業等の営業活動を行うためだけにある旨の説 明は一切していない。
(ウ) 原告ら主張の別紙勧誘態様一覧に対する認否は,別紙認否表記載 のとおりである。
原告らの本件各講座の受講の動機は,実社会における自らのコミュ ニケーションスキルに不安を抱き,これを画期的に改善すること,被 告5の現場経験を基に作成された資料や技術等のノウハウの全容につ き,被告5による生の講義・直接の指導を受けることにあったもので ある(甲33等)。
イサイグラムの基礎理論が増永の先行研究とは別個の独自の理論である 理由は,次のとおりである。
(ア) サイグラム基本図式と増永の図式との相違点 サイグラム基本図式と増永の著書「性格入門」の図13(甲2)と は,別紙1のとおり,双方円形のために一見似ているが,増永の図式 は,サイグラム基本図式とは異なり,コンセプトを明確にしておら ず,両者は酷似しているものではない。
すなわち,サイグラム基本図式は,能力心理学理論がいうところ の「知・情・意」という人の精神構造の中にある三つの要素を,それ ぞれ,左脳・右脳・小脳になぞらえて作成し,各グループのイメージ カラーとして,光の三原色である「緑」,「赤」,「青」を使用し, コンセプトを明確にしている点,各タイプを数字化し,「時計」をイ メージして配置し,数字及び奇数・偶数によってタイプ相互の関係性 - 21 - が一目瞭然となるよう創意工夫をし,タイプ相互の関係を瞬時に把握 することができる点,「人間は,無意識のうちに,知・情・意の三つ のいずれかの要素を軸にして,あとの二つはその軸になる要素に影響 を与えて意志決定している」という考え方を基礎に置き,点線はグラ デーションを意味している点で,増永の図式と相違する。
また,「円によってタイプを12等分するという発想」は,「個性 學」ないし「態度類型學」にも見られるものであるところ(乙4 8),被告5は,そのことを知り,サイグラム基本図式の原型を作成 し,増永の図式に依拠せずにサイグラム基本図式を完成させた。
(イ) 「意志決定要因・環境対応要因」という独自の分類方法 被告5が構築したサイグラムの基礎理論は,人の性格・気質を決定 づける要因として「知・情・意」の3類型が存在するという趣旨のヴ ォルフが提唱した能力心理学と,人のタイプに関して,関心が自分の 外に向かって働く「外向的」な人と,関心が自分の内側に向かって働 く「内向的」な人の2類型が存在するという趣旨のユングが提唱した 分析心理学を基礎として12類型を構築しているのに対し,増永が構 築した理論はシェルドンとクレッチマーの理論を土台にしており,両 者の視点は全く異なるものである。
また,サイグラムの基礎理論は,F,A,Mの3類型を「意志決定 要因」と定義し,対人対応・社会対応ないし組織の中での自分・集団 の中での自分という点に着目し,楽観派,慎重派の2類型を「環境対 応要因」と定義し,このように性格・気質の分類に関して,「意志決 定要因」,「環境対応要因」という独自の分類方法を提唱している点 で,増永の理論と相違している。
(ウ) ライフサイクル理論の独自性 サイグラムのライフサイクル基礎理論では,複数の心理学理論を基 - 22 - 礎としつつ,干支暦を基にして割り出された計算方法を適用し,これ にバイオリズム(個人の知性・感情・身体のリズム)の考え方を加味 して,生年月日に基づいて個人のグループ・派・型・タイプを特定す る手法を採用している。
このように「暦の法則性」(アルゴリズム) をタイプ特定化の計算手法に用いることにより,サイグラムは,一般 にいう「個人の個性」を明確に類型化するものである。
そして,サイグラムのテキスト(甲28)においては,サイグラム 12類型の(性格気質)タイプ番号と60類型(男女120類型)の 整合性や対応関係が記述されている(例えば,1926年(昭和元 年)1月1日生まれの者については,60類型の27番と12類型の タイプ番号?が対応している。
)。


一方,増永は,「生まれ日占星術」の中で60類型を占術的見地か ら述べているに過ぎず,「附録? 生日番号早見表」(甲26) は,サイグラムとは異なり,60類型と12の性格気質タイプとの整 合性や対応関係については一切触れていない。
以上のとおり,サイグラムは,12類型の性格気質タイプを数値化 し,「干支暦」表に当てはめて,干支暦と60類型の個性番号と12 類型の性格気質タイプとを対応させた点において,独自性がある。
(エ) マッチング理論の独自性 マッチング理論は,「社会・時代背景」を見て,時流をつかみ,経 営の3要素(人・物・金)を頭に入れ,個々の人物及び自分の個性, 性格・気質を把握し,人間関係や相互のコミュニケーションを円滑に する方法論を提案する理論であり,具体的には,サイグラム12類型 相互の相性の善し悪しに関する知識の習得を前提として,サイグラム 12類型における自分のタイプ及び相手のタイプを把握することで, 自分と相手の双方の性格・気質ないし行動パターンに関する基礎知識 - 23 - を習得し,これに,自分の知識及び経験を重ね合わせながら,パート ナー(夫婦,社員・同僚等)との人間関係を円滑にすることを目的と する方法論である。
これに対し増永の研究(「性格入門」)は,単に 12類型相互の相性を研究したものに過ぎず,その相性研究から,直 ちにパートナーとの人間関係を円滑にする手法やセールスにおける顧 客との関係を良好に保つ手法等が演繹されるものではない。
この点で サイグラムは,増永理論とは異なる独自性を有する。
(オ) 本件各講座のテキストと増永の著書に類似点がある理由 被告5は,増永の直系の弟子に当たるGから約9か月間にわたって口 伝形式(マンツーマン)で指導・教授された事項(文章の作成方法, 類型の考え方,生年月日等の考え方)等を応用し,被告5自らの検証 結果等から構築した独自の方法論や理論を加味して,本件各講座のテ キストを作成した。
したがって,本件各講座のテキストと増永の著書とが,その考え方 及び表現において似ている箇所があっても全く不自然ではない。
また,「干支暦」及び「干支暦」を60類型に対応させる方法は, 中国古来の占術である「四柱推命」の流派など,増永の著書以外にも 用いられ(乙16),また,自由利用が許されたパブリックドメイン であるから,この部分が増永の理論と類似していても,サイグラムが 増永の理論の盗用であるとはいえない。
被告5は,学術的な系譜を同じくする増永の理論よりも一層,3類 型,2類型,12類型,60類型の対応関係を明確にしたものであ り,いわば,増永系に属する既存の理論を精緻化したものである。
ウビジネススクールの内容には,次のとおり,増永の著書からは学ぶこ とができない事項が極めて多数含まれている。
(ア) アドバイザー講座(アドバイザーコース) - 24 - アドバイザーコースは,コンサルタントコース(コンサルタント講 座)やインストラクターコース(インストラクター講座)に進むこと を希望する受講生全員が受講するコースである。
同コースでは,各カ リキュラムを通じて,被告5が,受講生らに対して,基礎的な心理学 及びカウンセリング学を指導するのみならず,相談員として培ったキ ャリアを生かし,具体的なスキル,ノウハウ,テクニック等を指導 し,これらを用いて受講者全員が「家族分析」を的確に行うスキルを 獲得できるよう指導した。
アドバイザーコースにおける講座内容は,増永の理論及び著書には ない独自の部分である。
(イ) インストラクター講座(インストラクターコース) インストラクターコースでは,被告5が,長年にわたる講師として の独自の経験に基づき,受講生らに対して,講師としての基本マナー をはじめとして,発声,発音,スピーチテクニック,聴講者の心理誘 導テクニック,講座マネジメント,講師としての勉強の仕方,自己開 示の仕方,スライド活用テクニック,受講者から支持される講義の仕 方及びそのノウハウ等にわたる幅広いスキル,ノウハウを指導,教授 した。
被告5は,かかる指導を通じて,受講生らに対して,サイグラ ムの基礎・活用講座及び将来的には自身のオリジナル講座を開講する のに必要かつ十分なスキルを受講者全員に獲得させた。
これらは,増永の理論及び著書からは決して学ぶことのできないも のである。


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増永の著書を熟読しても,直ちに,「個人( タイプ)と個人(タイプ)との関係性,マッチング等を考慮した企業 組織分析の手法」(乙14),「自分のタイプ,他人のタイプを熟知 した上で行うカウンセリングやコンサルティングの手法・技術」(乙 12,14)を習得することはできないものであり,12の性格類型 理論とこれらの技術を架橋した点において,サイグラムの独自性が顕 著に現れている。 そして,講座の価値を判断するに当たって決定的に重要な要素とな るのは,性格気質の12類型に関する基礎研究ではなく,「サイグラ ムが会社の経営,ビジネス,家族関係,子育てに活用できる実践的な 理論であるかどうか」である。この点,被告会社が宣伝勧誘したとお り,被告5は,原告らに対し,会社の経営,ビジネス,家族関係,子 育てに活用できる実践的な独自の理論を教授し,かつ,原告らがかか る実践的な理論を自由自在に活用するスキルを獲得するために必要十 分な指導及び実社会における人間関係を円滑にするための分析枠組み を獲得するために必要十分な指導を行ったものであるから,被告会社 及び被告5の行為に違法性はない。